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地球温暖化の救世主…藻?!

地球温暖化の救世主…藻?!

地球温暖化が進行するなか、藻は未来の救世主になれる存在として注目されています。藻類は、自然界においてCO2を吸収し、酸素を生み出す力をもった驚異の存在。また、バイオ燃料や持続可能な資源としての可能性も秘めています。今回は、地球温暖化対策の藻類の存在、そして私たちが目指すべきサステイナブルな未来を探っていきます。

地球温暖化と藻類のチカラ

人類共通の課題である地球温暖化。温室効果ガスの増加により毎年、平均気温が上昇し、気候に深刻な影響を及ぼしています。この問題に対し、藻類が重要な解決策のひとつとして注目されています。藻類は、光合成を通じてCO2を吸収し、酸素を供給する植物の一種。成長が速く、広範囲にわたる海域で生息し、炭素吸収源として大きな期待が寄せられています。

藻類の研究は、世界中で急速に進められており、そのポテンシャルはますます注目されています。例えば、バイオ燃料としての可能性は、環境に優しいエネルギー源として期待されています。

すごいぞ、ブルーカーボン

いま地球は、エネルギーを得るために化石燃料を消費し続けた結果、発生するCO2が増加。植物がCO2 を吸収して環境を炭素が循環するという、バランスが崩れた状態です。

こうした化石燃料の大量消費によって破壊されたカーボンサイクルを修復するため、解決策のひとつとなるのがブルーカーボンです。ブルーカーボンとは、沿岸・海洋生態系が炭素を吸収し、海中に蓄えられたカーボン(炭素)を指します。藻類や海草、マングローブ林は、CO2を吸収して海底に貯蔵する能力を持ち、何千年にもわたって炭素を閉じ込めることができます。

人類が排出するCO2の約30%は、このブルーカーボン生態系によって吸収されていることがわかっています。地球の約70%が海で覆われていることからも、この数字には納得がいきます。今後、沿岸・海洋生態系の保護は、温暖化対策の重要なカギになるでしょう。

マングローブ林

まだまだある、藻類の可能性

ブルーカーボン生態系のひとつである藻類の役割は、CO2を吸収して地球温暖化の進行を緩やかにするだけではありません。藻類は、海洋生態系の保護や持続可能な食料供給源としても重要な役割を果たしています。

藻場(藻類の群生地)は、海洋生態系を保護し、酸素を供給するほか、海洋生物の生息地や産卵場としての役割を担っています。これにより、間接的に漁業を支え、海の生物多様性を守っています。陸上では目にしにくい藻類ですが、海洋生態系全体を支える大切な存在なのです。

さらに、藻類は将来の食料危機を救う可能性を秘めています。環境破壊や異常気象の影響で、食料供給が不安定になる可能性が高まるなか、たんぱく質の含有量が多い藻類は、代替たんぱく源として注目されています。例えば、藻類のスピルリナはスーパーフードとしても利用されており、私たちの日常生活にも広く浸透しています。

スーパーフードのスピルリナ

藻が持続可能な社会を築く

藻類は成長が速く、育成に多くの資源を必要としないため、環境への負荷が低く抑えられます。さらに、企業が掲げるCO2 排出量の削減や再生可能エネルギーの使用、資源の有効活用にも貢献します。

藻類を最大限に活用することで、温暖化対策のみならず、経済成長や持続可能な社会の実現にも寄与することでしょう。藻類の可能性は無限であり、今後の研究や技術開発が進めば、私たちは藻類の力をより一層活用することができ、地球温暖化に立ち向かう大きな力になるかもしれません。


【参考文献】

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