おなか周りの変化に、「燃やす・出す・補う」3つの習慣
「食事量も体重もあまり変わらないのに、最近おなか周りが気になる」
「若い頃より、お通じのリズムも乱れやすくなった」
40代、50代になるとこうした体の変化を感じる方は少なくありません。今回は、おなか周りの悩みを、「燃やす・出す・補う」3つの習慣から考えてみます。
INDEX
おなか周りが気になる理由
基礎代謝が低下し、エネルギーが余りやすくなる
まず注目したいのが、基礎代謝の変化です。基礎代謝とは、呼吸や体温維持といった安静にしていても使われるエネルギーのこと。基礎代謝量は一般的に加齢に伴って低下しますが、その主な理由のひとつに、脂肪を除いた筋肉などの量(除脂肪量)の減少があります。これに加え、活動量の減少といった要因が組み合わさり、総エネルギー消費量が低下しやすくなります。つまり、若い頃と同じように食べてしまうと、同じように動いているつもりでも以前よりエネルギーが消費されにくく、その結果、余ったエネルギーが体に蓄積されて、おなか周りの変化につながります。エネルギーの摂取量と、消費量について考える必要があります。
体重だけでは、脂肪のつき方まではわからない
おなか周りの変化を考えるとき、体重はわかりやすい目安になります。しかし、体重の数字だけでは体の変化を十分に捉えられないことがあります。たとえば、筋肉が減少してその分脂肪がつけば、体重の変化には気づけません。
そして「肥満」とは、単に体重が多いことではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。肥満度の判定にはBMIが用いられますが、同じBMIでも、脂肪がどこについているかによって健康への影響は大きく異なります。
脂肪のつき方には、内臓の周りにつく「内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)」と、皮膚の下につく「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)」があります。内臓脂肪型肥満は、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常といった生活習慣病とのかかわりが大きいとされ、皮下脂肪型肥満は、下半身を中心に脂肪が付きやすくなります。こうしたことから、体の変化は体重だけでなく、BMIや腹囲、脂肪のつき方にも目を向けることが大切です。
お通じのリズムも関係する
お通じが乱れると、おなかの重さや張り感が気になることはありませんか?
おなか周りのすっきり感には、お通じのリズムも関係します。食物繊維は、小腸で消化されずに大腸まで届く栄養成分で、便秘を防ぐ整腸効果があります。しかし、日本人の食物繊維の平均摂取量は少ないことがわかっていて、意識して積極的に摂ることが望まれます。また、お通じのリズムには、食事内容だけでなく、水分不足、運動不足、睡眠や生活リズムの乱れなども関わります。
おなか周りの変化の原因は一つではない
加齢による体の変化として、筋肉量の減少と活動量の低下にともなう基礎代謝の低下、脂肪の蓄積、お通じの乱れ、栄養バランスの偏りなど、いくつもの要素が重なり合っていると考えられます。こうした変化に合わせて、エネルギーを摂り過ぎたら使うこと、ため込まないこと、必要な栄養を補うことをまとめて考えることが大切です。

おなか周り対策は「燃やす・出す・補う」
年齢とともに起こる体の変化を踏まえると、おなか周り対策は、単に「食べる量を減らす」だけでは続きにくく、効果的ともいえません。そこで意識したいのが、「燃やす(エネルギーを使う)」、「出す(ため込まない)、「補う(必要な栄養を満たす)」という3つの視点です。
燃やす:年齢とともに低下しやすい基礎代謝や活動量を意識し、エネルギーを使いやすい体づくりをすること。日々の活動量を少しずつ増やすことです。無理なく続けられる動きから始めることで、エネルギーを使いやすい体づくりにつながります。
出す:野菜、海藻、きのこ、豆類など、食物繊維を含む食品や乳酸菌が含まれるヨーグルトやキムチなどの発酵食品を増やし、お通じのリズムを整えること。食事だけでなく生活リズムも関わります。毎日同じ時間に起きる、朝食をとる、体を動かすといった小さな習慣も、ため込まないリズムづくりの一部です。
補う:燃やす習慣・出す習慣をサポートするために、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど、体に必要な栄養を不足させないこと。たんぱく質は筋肉や臓器など体を構成する重要な栄養素であり、筋肉量は基礎代謝にも関わります。また、ビタミンやミネラルは、体の調子を整えたり、健康を維持したりするうえで欠かせない栄養素です。
どれかひとつだけを頑張るのではなく、体の変化に合わせて、3つの視点からバランスよく体を整える習慣をつけることがポイントです。
「燃やす・出す・補う」を意識した食品の選び方
食生活を整える中で、健康管理を意識した食品・素材を上手に取り入れることは、習慣づくりの助けになります。生活の中に、手軽に取り入れやすい食品や素材には、次のようなものがあります。
「燃やす」におすすめのカテキン
カテキンは、緑茶などに含まれるポリフェノールの一種です。食後や休憩時間にお茶を飲む習慣がある人にとっては、日常的に取り入れやすい成分といえます。ジュースを緑茶に置き換えるなど、飲み物の選び方を見直すことは、食生活全体を整えるきっかけにもなります。
「出す」におすすめの乳酸菌
乳酸菌は、ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる身近な存在です。腸内環境は、腸内にすむ細菌のバランスによって左右されるとされ、腸内環境を整える方法のひとつとして、乳酸菌を摂ることが挙げられています。
腸内環境を意識する方にとって、乳酸菌を含む食品や発酵食品を取り入れることは、「出す」習慣を考えるうえでひとつの選択肢になります。ただし、乳酸菌に頼るのではなく、適度な運動、十分な睡眠、朝食を抜かないことなど、生活習慣とあわせて整えていくことが大切です。
不足しがちな栄養を補うサプリメント
忙しさや食生活の偏りなどから、毎日の食事だけでは栄養バランスを整えるのが難しいと感じる方は、不足しがちな栄養を補う選択肢としてサプリメントも効果的。藻類由来の栄養素材スピルリナやクロレラなど、手軽に取り入れられるものを利用するのがおすすめです。
このように、おなか周りの対策は年齢とともに変わる体に合わせて、「燃やす・出す・補う」の3つの習慣を意識することが大切です。とくに無理な運動や食事制限をするのではなく、日々の生活を少しずつ整えることから始めてみてはいかがでしょうか。

【本原稿で参考にさせていただいた文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-07-002.html
厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-001.html
厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001.html
厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-044.html
厚生労働省 e-ヘルスネット「ビタミン」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-027.html
厚生労働省 e-ヘルスネット「ミネラル」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-035.html
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」PDF
https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
健康長寿ネット「カテキンの種類と効果と摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/catechin.html
健康長寿ネット「生活習慣で乱れた腸内環境を整える方法」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenko-cho/chonaikankyo.html?utm_source=chatgpt.com
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