お悩み別の筋力アップエクササイズ
年齢とともに現れる腰やひざの痛み、尿もれ…。日々の生活のなかで、こうしたお悩みがあるとつらいですよね。少しずつ症状が出始めているという方は、もしかしたら筋力が低下しているのかもしれません。そこで、今回は寝室やリビングで簡単にできる筋力アップトレーニングを、ヘルスケアトレーナーの鈴木有加里先生にお聞きしました。
INDEX
腰の痛みを防ぐトレーニング
「朝、腰が痛くてなかなか起き上がることができない…」。そんなときは、寝ている状態でも簡単にできる「腰痛改善ストレッチ」を布団の上で行ってみましょう。
<太ももの後ろ側のストレッチ>
- 仰向けに寝て、両ひざを立て、片ひざだけを上方に伸ばす
- 伸ばしている足のひざの裏(またはふくらはぎ)を両手で持つ
- そのまま胸の方に引き寄せる
- 1〜3を左右交互に1~3セットを行ってください
<おしり~腰の筋肉ストレッチ>
- 仰向けに寝て、両ひざを立てる
- 片ひざを胸の方へ両手で引き寄せる
- 1〜2を左右交互に1~3セットを行ってください
<片方のおしり~わき腹・腰の筋肉ストレッチ>
- 仰向けに寝て、両ひざを立てる
- 両腕を楽に開く
- 両ひざを片側へ倒す
- 顔はひざの方向と反対側へ向ける
- 1〜4を左右交互に1~3セットを行ってください。
<おしり~腰・背中・肩の後ろ側のストレッチ>
- 正座をして、両手を前に遠くにつく
- ついた手を離さずにおしりをゆっくりおろす
- 1〜2を左右交互に1~3セットを行ってください。
ストレッチのポイント
- 伸びている箇所を意識しましょう
- 息を止めたりせず、呼吸は自然に行いましょう
- 心地よい張りを感じるところまで伸ばしましょう
座り方、立ち方の注意点
座る椅子の高さは、座ったときにかかとまでしっかりつく状態がベストです。背中が背もたれにつかないように座ると、腹筋などの筋力アップだけでなく、腰痛予防にもつながります。
立ち仕事での注意点
両ひざを伸ばして立ち続けると腰の痛みが出やすくなります。キッチンに立って炊事をしているときや、洗面所で歯磨きをしているときなどは要注意です。 その場合は、足元に3〜4センチの片足が乗せられる程度の台を置いて、左右の足を交互に乗せて立ってみてください。片ひざを曲げることで立ち姿勢が楽になりますし、腰痛予防にもつながります。
ひざの痛みを防ぐトレーニング
年齢とともに、ひざの痛みに悩まされる方が多いですよね。こうしたひざの痛みは、周辺の筋肉を少しずつ鍛えると、やわらぐことがあります。ひざのストレッチとトレーニングを実行して、筋力をアップしましょう。
<太ももの後ろ側のストレッチ>
- 仰向けに寝転がり、片方のひざは立て、もう片方の足を上げて両手で持つ
- そのまま胸のほうに引き寄せ、太ももの後ろ側を伸ばしながら、約15秒キープ
- 1~2を左右交互に行ってください
<太ももの前側のストレッチ>
- 横向きに寝転がり、床についている足はひざを曲げ、体を安定させる。腕はまっすぐ伸ばして頭をのせる
- 曲げている足は手で持つか、またはタオルを掛けて持ち、おしりのほうに引っ張る。太ももの前側を伸ばしながら、約15秒キープ
- 1~2を左右交互に1~2回を目安に行ってください
<ももの前の筋肉を強化するトレーニング>
- 背筋を伸ばして椅子に腰掛ける
- ひざを伸ばすように片足をゆっくり引き上げる
- 上げたらゆっくりおろす
- 1~3を左右交互に10回を目安に行ってください。ひざに痛みを感じ、上げ下げができない方は、上げた状態のままで約10秒キープするだけにしましょう
<O脚脱出、ももの内側の筋肉強化トレーニング>
まずは、ボールを準備してください。クッション、座布団、バスタオルなどを折りたたんだものでもかまいません。
- 背筋を伸ばして椅子に腰掛ける。かかととかかとの間は、拳1個分くらいあける
- ひざの間にボールを挟む
- そのひざを左右均等にギュッと内側に締め、ゆっくり戻す
うっかり尿もれを防ぐトレーニング
くしゃみやせきをしたとき、重いものを持ち上げたときなど、おなかに圧力がかかると、不意に尿がもれることがあります。これは骨盤内の臓器を支えるハンモックの形をした骨盤底筋が弱くなることで起こります。
尿失禁にはいくつかの種類がありますが、せきやくしゃみでもれる腹圧性尿失禁は、骨盤底筋体操を定期的に行うことにより改善しやすいといわれています。3カ月を目途にチャレンジしてみてください。
<太ももの後ろ側のストレッチ>
まず、骨盤の周りの筋肉を意識しながら行いましょう。
- おなかの力を抜いて楽にする
- おならを我慢する感じで、肛門をギューッと締めたあと緩める
- 途中で尿を止める感じで、尿道をギューッと締めたあと緩める
- 肛門と尿道をいっしょにギューッと締めたあと緩める
- 1~4を10~20回繰り返してください。締める時間より、緩める時間を少し長めに行いましょう。
これに慣れてきたら、「ギューッ」と長く締める方法で10回、「ギュッ」と強く短く締める方法でも10回行いましょう。締め方を変えて行うのが、より効果的です。